彼女Y.Mの福音 :後編【池袋出会いカフェ殺人事件】


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大学デビュー


都内の有名私立大学4年生。いかにも大学全入時代っぽい学部に在籍。

いつから、なぜ、彼女「割切り」までするようになったのかはわからない。

高校の卒業アルバム。彼女@18歳。

意外にも、
愛くるしい、純真、清純、純粋、
なんて古代語の域に入る言葉がとても似合う少女的な少女。10代な眼差しにまだギャルの兆しはない。

てことは、ギャル系JKがいちおう大学にスライドして、ギャル系女子大生やってたわけでなくて、いまや珍しい響きの大学デビューだったんじゃないかと思うけれども。
卒アルから4年、ギャル系女子大生となって出会いカフェを根城に夜な夜な体を売るようにまでに、その脳内で何があったんだろうか。もはや知ることもかなわんのである。
  
「ヘアメイクの仕事をしたい」彼女は友だちに将来の夢を語ってた。

どこまで本気だったのかただポーズぽく言ってただけなのか。
  
大学4年でこのご時世そろそろ内定も決まってないとややまずめなんでないのなんだが、


夜の諭吉収集と並行してリクスーに身を固めて「御社の自由闊達な社風キリッ」なんていや今どきそんなこという奴おらんないやいるか、とにかくそんなことやれてたかどうか…。
  
あの↓ 完全無欠スーパー女子大生マイキー

とは、まるで別次元の生きもの

逆にいうとそのへんにゴマンといる今どき女子大生。

そのへんにゴマンといる女子大生が割切りを割り切ってるかどうかはともかくとして、彼女がその平均像からそんなにかけ離れてる変な女ってわけでもない。
  
彼女の死にざまとその昼の顔から、
東電OL   
をちらと思い出す人もいただろう、いただろうけども、
  
円山町の安アパートの空き部屋で死んだ東電OLのドス黒い背徳と堕落衝動は、池袋の彼女にはまっっったくない。
  
彼女東電OLのようにウィッグと白塗りメイクで娼婦モードに変身する必要さえなかった。
もっと自然体屈託なく、ふだんの延長線上罪悪感なんて超薄いっす。
  
さすがにキャンパスで、
「みんなあああ、聞いてええええ」
 
「わたしいいい、ウリやってんのよおお!(しかも大声)」
なんてことしなかったし、もちろん親にも内緒だっただろうけど、出会いカフェ通いは、仲のいい友だちなら知っていた。

ただ彼女が底抜けのお人好しでない限り、たぶん割切り仕事までは教えてない。だってねえ、ほらたとえ友だちでも同性に弱点を握られたらどんなことが起きるか油断できないし(*´・ω・)(・ω・`*)ネー
「学費の足しに」と彼女は友だちに言ってたけれど、本当にそうか遊んだりオサレに使う金が足りなかったのか。とにかく彼女はいろんなバイトを掛け持ち、出会いカフェも“割のいいバイト”のひとつだった。
  

平成生まれ第1世代の彼女たち。物心ついたときからずっと不況。
「バブル」なんて江戸時代とかわらん「歴史」だしてか江戸時代っていつだっけ?明治より後ってコトは知ってるんだけどあれ?戦争より後だっけ?あれ戦争ってイラン戦争だよね?

ふつうに真面目に働いててもぜんぜんお金にならないし、てかふつうに真面目に働くチャンスすら異常に少ないし、なんだかこの先の人生ずっとそうなりそうだし、夢とか目標持つだけムダじゃね?

'85テレクラ'90ブルセラ'94ダイヤルQ2'96 Enjo kosai'99ケータイ出会い系'04 SNS'06セリクラ'06出会いカフェ←今ここ。

“先輩たち”がせっせと土壌を耕してきたおかげで、彼女たちにとっちゃ性的自分を換金することも、売春へのハードルも前の世代が思ってる以上にごくごくごく低い。

彼女出会いカフェで見かけたという常連女も、紀尾井町あたりにある某カトリック系大学の学生(自称だけど)だった。

(※ところで、被害者をその某カトリック会系大学の学生と言い切ってる掲示板やブログがやたら多いんで、なんでなのよ?と思ったけれども、単にニュース記事を読み間違えてゴッチャにしてるウッカリさんたちであった。他の割切りの子たちはどうか知らんけど、少なくとも死んだ彼女はその某大学の学生じゃない)

  
さて、出会いカフェの女フロア内でも、彼女は“人気No.1”状態。

  
事件直前の25日土曜の夜も同じ。すぐ指名されて、すぐ連れ出された。

まあ出会いカフェ側のスタッフにとっては、店から出たあと2人がどこで何しようと関係ないし興味もないっつうことで。

毎度ありあしたぁ、またのお越しをおまていあーす、である。

* 美人時計アダルト

その頃、日付は26日 日曜に変わっていた。

彼女の人生は、あと3時間ほどしか残ってない。

  

ていう彼女の氏素性も死ぬ直前の足取りも捜査が始まったときには当然ながらまるで分かってなかったわけで、捜査難航&長期化すると思われた池袋ホテル“不詳女性”変死事件

ところが、1日も経たないうちに、思わぬ急転直下で解決する。


26日も日暮れて。渋谷署のりピー事件ですっかりこの建物も有名になったんだが。


ここに2人の男がやってきた。
  
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