会社も会社だが学生も学生なわけで
とある知り合いの某娘はいま大学3年生。シューカツまっただ中である。
ワ士らの世代だと、懐かしの就職協定なんぞがあって、就職活動は4年生になってからようやく始動したはずである。(まーワ士自身はこれ系にやや近い仕事をしているくせに、じつは就職活動なるものをやったことないんで季節的な実感はないんだけれども)。
それがいまやシューカツの正念場は3年次になって久しい。そして4年次の春先か遅くともGWまでには内定が出る。夏を過ぎてまだ決まっていないとみそっかす、ということになるそうな。
そして安定志向でやたら大手を狙うから当然あぶれてシューカツ失敗の巻に終わる学生が少なくない。なのに中小企業は相変わらず人手が足りないとピーピーだ。人がいるのに人が足りない。
しかもちょいと前までは、大手が決まったあと、GW以降から中小企業や地方企業の活動が始まる、だったらしいが、今ではむしろ逆で、大手にいいとこもって行かれる前に、先に内定を出してしまおう、とさらにフライングが多いそうな。だから今の学生のシューカツはそれこそ1年以上にわたる。すごい長期戦。しかもこの不景気による買い手市場で余計に激しくなっている。
ある広告代理店など、大学のインターンシップ要請を受け入れたら、なんと2年生が来たらしい。20歳とかだ。
「ほとんどメンタルが高校生と変わらない。ただの子どもに何をさせろというんだ」と戸惑ったとか。そりゃそうだ。
前倒し過ぎるわっ。
なんなのだこの厭なかんじの風潮は。どうにも業腹であるんである。
このアホなチキンレースいい加減にしてくれ。
それでいて採用面接などで企業サイドは「基礎知識が身についていない学生が多い」とか「即戦力になる学生が欲しいのだがなかなかいない」とかブーたれている。
当たり前だ。おまえらがやっと成人したばかりの半分子どもに訳も分からないまま勝負を強いてるんだから。なーにを無い物ねだりをしているのだ。
いっそのこと大学受験のときに一緒に決めてしまえばいいではないか。それとも生まれたときにもう決めてしまえばいいだろう。
おっと激情がつい。
話を戻すと、そのとある知り合いの某娘さん、関東圏のまあまあ偏差値の高い大学に在籍中らしく、Uターンで実家の方で就職したいらしい。
それでどういう方面に行きたいか、というと、
「とくに決めてない」
んだそうで。
……あのう、いくらワ士がこのチキンレース風潮に嫌悪感を持ってるとはいえ、リアル的には3年次ももう終わりのこの季節に、まだ志望業種すら曖昧、というのは、やや戦況として危機的ではないかと思うが腦。数打ちゃ当たる時代でもなかろうに。40社受けて全滅という事例も聞いたぞ。
じゃあ、業種もしぼらないまま、どうやってエントリー(この言葉も大きな声では言えないがすンごく嫌いだ、なんで登録とか応募とか日本語を使わん)先を選んでるのか、というと、
「日経新聞とかをパラパラめくって、新製品発表とか記事で紹介されてる社名を拾ってエントリー(この言葉すご以下略)してるらしい。
ぬうむ、それでいいのか? さすがに今の段階でそれはあかんと思うぞさすがに。
そして某娘さん、先日ようやく、OGのひとりに会ったらしいが、
「働きやすい職場だと聞きましたからぁ」「女性も男性と同じように働けるそうですねー」とか、いかにも「ぜんぜん業界研究も企業研究してませえん」的なことを口にしたので、向こうの癇に障ったのか、
「働きやすいってあなたの働きやすいってどういうこと?」「女性にとって働きやすいってどういう条件だと思うのどうなの?」「どうなの?どうなの?どうなのどうなのどうなの」
と質問責め(というか日頃の鬱憤の捌け口状態か?)にされ、さすがに涙目で今へこんでるとか。
季節的にへこむ時期が遅いのではないか腦…。
まあリクルーター全員がそういう意固地な性格ではないだろうが、リクルーターとのお茶は立派な一次面接なんだからのう。
というか少しは勉強しようよ。
大体ここらへん、でもいいから業種を決めないと、情報収集するにも対象が莫大すぎてやり切れないじゃん。ただでさえ地元の情報が入りにくい関東にいるんだからさあ。ちなみにネットで手に入るのは情報じゃない、ただのきっかけだ。
まあできる子はものすごくできるが、
再氷河期と言われてるにもかかわらず、こういう呑気な学生もきっと多いんだろうなあ実際。せっかく偏差値高い学校に行ったのに…。
いやあ会社も会社なら学生も学生であるな。
まあここで憤ってても変わらんのだけど、
が、やはり改めて業腹なんである。